育児サロンのよしです。
生まれた我が子が「ママ」 「パパ」と言葉を話し始めるととてもうれしいですよね?
特に2~3歳くらいになると歌を歌ったり、大人の言うことを真似てみたりとさらにバリエーションも増えて、見ているほうも楽しいものです。
でも、周りの同年代の子と比べると「あれ?あの子のほうがすごいしゃべってる!?」って思うこともあったりして、子どもの言葉の成長が気になってきてしまうものです。
今回は言葉の成長していく過程と、もし言葉が遅れているような気がしたときにご家庭で取り組める簡単な方法についてご紹介します。
ことばはどのように成長発達するのでしょうか?
子どもの言語の成長発達は3歳までにほとんど完成します。サ行、ハ行、ラ行は5歳くらいまでかかりますが、それ以外はしっかりと発音出来るようになります。サ行、ハ行、ラ行が関係する言葉とは、例えば次のような言葉です。
メモ
シール→チーウ
スイカ→シュイカ、チュイカ
積み木→チュミキ
先生→シェンシェイ
お掃除→オショウジ
ハサミ→ハシャミ、ハタミ
ライオン→アイオン
リンゴ→インゴ
牛乳→ジューニュー
特にサ行はとても発音が難しく、大人でもうまく発音できない人もいますので、今できなくてもちょっとずつ練習しながら様子を見ていくことになります。
言葉の基礎になるいろいろなカ
言葉が成長していくのには、一定の段階があります。ビルと一緒で土台がしっかりしていないと最上階まで建設することはできません。
1~2階が「からだの脳(脳幹)」と呼ばれています。
1階は生活リズムを整え規則正しい生活が大事だということです。
また、かむことが発音に影響しますので、乳児の頃からよくかんで食べることを教えましょう。
2階の体の発達にそった十分な運動ですが、子どもが好きな遊びをたくさんさせることです。
いやな遊びは無理にさせなくて構いません。
親御さんも好きなあそびに付き合うようにしましょう。
そうすることで「この人好き」という気持ちが出るようになり、「この人のすること(いう事)に注目」するようになります。
3階が「こころの脳 (大脳辺縁系)」 と呼ばれています。
こころの働き、情緒の発達と呼ばれています。
やる気や意欲を育てることが大切です。
4階から上は「知カ・ことばの脳 (大脳皮質)」です。
手をつかうことで身の回りが自立できたり手先の使い方を覚えることができます。
子どもが大きくなる道筋はみな共通です
発達には順序があります。
ポイント
からだの動きの発達はわかりやすく、首がすわる一寝返り一お座り一はいはい→つかまり立ち一立つ一歩く、の順です。
言葉も同じように
ことばもからだの発達と同じように、 ロの動かし方や、心の動き、考える力など、順序を追って発達していきます。
成長発達は個人差が大きく、早く成長する子、ゆっくり成長する子といますが、通る道筋は同じです。
発達が早いからと言って、どこかの段階を飛ばしているなんてことはありません。
お話するために必要な力
お子さんが話せるようになるためには事前にいろいろな力を獲得している必要があります。
①いろいろな音に気付く力
聴力が発達していないと言葉を聞き取ることはできません。子どもは生まれてくる前からすでに耳が聞こえており、お母さんのお腹を通していろいろな音を聞いています。
②理解するための力
話せるようになる前に理解力が成長してきます。
1歳を過ぎてくると「この子は話せないけど、 私の言っていることは理解してるわ。」と思う時期がどの親御さんにもあると思います。
子どもはまず言われていることを理解することから始まり、それが出来るようになってから話すようになります。
③大人に相手してもらう。困った時に大人を頼る
対人関係も言葉の発達よりも先になります。
大人の真似をしてみたり、抱っこされて大人と同じ目線に立ってみたり、自分が出来なかったことを大人に代わりにやってもらったりする経験がないと、言葉は出てきません。
④声を出す
当たり前のことですが、言葉を話すためには声が出なければいけません。
声を自分の意志で上手に出せるようになることが言葉を話すための大前提になります。
⑤人の真似をする
模倣と言いますが、身振り手振りを真似するようになることで、言葉や声の調子も真似するようになってきます。
人に対して興味を持ち、真似することが言葉の基礎になります。
発音がはっきりしないのが気になったら
なんとなく自分の子どもの発音が気になった時には、おうちで出来る簡単トレーニングがありますので、時々やってみてもいいかもしれません。
①サ行トレーニング
5歳半で90%の子どもがクリアします。舌で唇をなめさせると舌の動きが滑らかになって上手に発音出来るようになります。
舌の上にラムネを乗せて遊んだり、唇についたものを舐めて取らせたりするのも効果的です。
②カ行トレーニング
あごを使って話せていないことが多いです。
つまりロ先だけで話しているということです。
指 2~3本を縦に入れてカーカーと言うとあごを有効に使えるようになります。
あと、毎日うがいをするのもいいですね。風邪予防にもつながりますのでぜひお試しください。
③ラ行トレーニング
舌小帯硬着だとラ行が言いにくくなります。
ホッピングと言って、舌打ちをすると言いやすくなります。
舌打ちが癖になっては困るので(笑)ほどほどに練習してみてください。
④濁音トレーニング
濁音がうまく言えない時は、吹く練習(風船·・シャポン玉・ティッシュ)と、吸う練習(ストロー:太さ長さを変えて)がとても効果的です。
遊びの中で簡単にできますのでぜひ取り入れてみてください。
⑤イの段トレーニング
側音化構音と言って、イの段がうまく言えない(イキシチニ…)こともあります。
舌の柔らかさが未熱だったり、あごが小さいのに舌の大きさは同じで口の中で大きすぎ動きが悪い場合が多いです。
これはひたすら舐める練習をします。ミルクセンベイに穴をあける・あめ玉を最後までなめさせる・ポッキーを舐めてプリッツにするなどなど。
ヨーグルトアイスの蓋の裏でも構いません。
とにかく舐めさせる練習をすることで発達してきます。
今日から親が出来ること
まずは大人が発音の「良い手本・正しい手本」になりましょう。
大人がゆっくり、はっきり、聞き取りやすい発音で話すことで子どももどんどん成長していくことでしょう。
・「言ってごらん」と試したり、言い直しをさせるのはやめましょう
これをしてしまうと、子どもに自分の発音のおかしさを意識させるばかりでなく、吃音(どもり)や引っ込み思案、あるいは小さい子に乱暴するなど他の問題を引き起こすこともあります。
・間違った発音をしたら、正しい見本をさりげなく示します
子どもがカラスのことを「タアチュ」と言ったら、すぐに「カラスでしょ!」と訂正するのではなく、「あ、ほんとだ」と認めてから、「カラスだね」と返事します。
訂正されている印象を与えないようにすることがポイントです。
・「話し方」ではなくて「お話の内容」をよく聞いてあげましょう
ちょっとくらい間違っていても、昔がおかしくても、自分の話すことの内容や、伝えたい気持ちが十分受け止められていると感じられると、子どもはお話しするのが好きになります。
・あせらないで見守ってください
ことばを言うには呼吸をはじめ、体全体が上手に動くことが第一です。体の動きがなめらかになってくると、舌や唇の筋肉を細かく調整して動かせるようになります。
遅かれ早かれ必ず成長してくるものですので、焦らずじっくりと関わってあげられるといいですね。
最後に
いかがでしたか?
・言葉の成長発達には順序があります。
体や心が十分に発達していないと言葉が出てくるようにはなりません
。お子さんにはさまざまな経験をさせてあげてください。
メモ
①成長発達は段階を飛ばすことはできません。
つかまり立ちと一人歩きが同じ時期だったなんて子は成長が早いように見えますが、決して段階は飛ばしていません。
成長には個人差がありますが、それは速度の差だけです。
ですので、自分の子が周囲よりも遅いように見えてもずっとできないわけではありませんので待ってあげましょう。
②言葉がいつまでもはっきりしないなと思ったら、ご家庭で出来るトレーニングを日々の生活や遊びに取り入れてみてもいいかと思います。
ちょっとマナー的に良くないトレーニングもありますが(笑)遊びの一環としてやれるといいのかなと思います。
我が家の3番目はまもなく3歳。「♪真っ赤なおはにゃの~トナカイしゃんは~♬」と季節が外れても飽きずに毎日歌っています。
赤ちゃん言葉もとっても可愛いのであと半年くらいはこのまま楽しく聞こうかなあと思っている今日この頃です。
みなさんもまずは楽しく、にこやかにお子さんと接していきましょうね。
参考文献
中川信子ホームページ http://www.soratomo.jp/
<ことばのビル>とは↓これのことです。