育児サロンのよしです。
大人なら簡単に飲める薬でも、いざ、お子さんに飲ませようとするとギャーギャー泣かれたり、吐き出されたり、思いっきり抵抗されたりと、悪戦苦闘することもあります。
元気な時でも苦戦するのに、病気や風邪で機嫌が悪いときなどはなおさら大変です。
けれど、薬はなるべく医師の指示の通りに飲まないとしっかりと効果を出すことができません。
今回はなるべくお子さんに抵抗されずに薬を飲む方法についていくつかご紹介したいと思います。
この中から参考になるものが見つかるといいですね。
目次
薬の種類
①シロップ(水薬)
お薬を溶かして糖水と混ぜたものです。
甘いのでとても飲みやすいですが、糖水と混ぜてあるのでこぼすとベタベタしますから要注意です。
使用前には容器をゆっくり振って中身を均一にしましょう。
1回量をきちんと割って別容器に移して飲ませます。
シロップの注意点は容器からの取り出し方です。
計量カップに直接注ぐ方法だといいのですが、スポイトを使うご家庭もあるかもしれませんね。
一度使ったスポイトはしっかり洗って乾燥させないと菌が繁殖してしまいます。
中を洗うのは難しいので、スポイトは取り置きせず、シロップを使い切ったと同時に処分したほうがいいと思います。
小さいお子さんにはスポイトをロに入れて飲ませる方法が簡単なのですが、そのスポイトをまたシロップ容器の中に入れるとより菌を繁殖させてしまいます。
特にもしっかり洗ってから次使用するようにしましょう。
中には容器の蓋にスポイトがくっついているタイプもあります。
それはスポイトが乾燥するまで待っていると、蓋が閉められませんので直接口に入れないほうがいいでしょう。
ポイント
・使用したスポイトやカップは細菌が繁殖する可能性があるので、必ず使用後はよく洗い、乾燥させてください。
・シロップなどの水薬はカビや細菌が繁殖しやすいので冷蔵庫で保管してください。水で薄めている場合は長くても2週間たったら捨ててください。
②ドライシロップ
水に溶かすと完全に溶けるタイプのお薬です。
これも甘いものが多いですので、飲みやすいかと思います。
飲ませ方は幼児の場合は水に溶かしてシロップと同じような状態にして飲ませます。
もっと小さいお子さんであれば、水1~2滴で溶かし、団子のように丸め、それを口に入れて水やお茶で飲んでもらうという方法があります。
この飲み方は将来錠剤を飲むための練習にもなりますのでお勧めです。
ただ、赤ちゃんはお口に入れた途端にロから出そうとしてしまいますので、ロの中に上の部分(上あご)や下の歯茎の外側などに塗ってしまうといいと思います。
4~5歳くらいになると、ドライシロップであればそのままロに入れて水で飲める子も増えてきます。
やってみると意外と大丈夫ですので、試してみてください。
子どもは唾液が多いので、慣れてくると「水なくても飲めるよー!」なんて言う子もいたりします。
さすがに水は飲ませる必要がありますが(笑)それくらい慣れてくれるので服薬がかなり楽になります。
③粉薬
水に溶けないタイプのお薬です。
水と混ぜて飲むのですが、時間がたつと粉が底に沈んでしまいますので、飲ませる直前に混ぜるのがポイントです。
ロの中に薬が残っていると苦く感じるお子さんもいますので、飲んだあとにさらに水かお茶を飲ませるといいです。
なかなか溶けないからといって熱湯で溶かしてはいけません。
熱湯でも全部は溶けませんし、お薬の成分が変化してしまうので危険です。
粉薬は苦みのあるものが多いです。
すこしお子さんが大きくなってきていれば、飲ませやすくなる方法を薬局でお薬をもらう時に教えてもらえますので、味のあるものに混ぜて飲ませる方法もあります。
例えばアイスやチョコ、ゼリーなどです。
ミルクや離乳食など日常食べるものに混ぜるのは危険です。
味がおかしいとお子さんが感じてしまうと、二度と食べてくれなくなるかもしれませんのでやめましょう。
ポイント
ヨーグルトやオレンジジュース、スポーツ飲料など、酸味のあるものと混ぜると苦みが強調されることがありますので、注意が必要です。
何に混ぜたらいいのか迷うときには薬剤師さんに相談してみましょう。
氷やアイスクリームなど冷たい物を食べてから服薬したり、冷たいものに混ぜて食べさせると、一時的に味覚が鈍くなるため、お薬を服用しやすくなります。
④錠剤
5歳を過ぎてくると飲める子が出てきます。
「粒を噛まずに飲む」という行為が怖いと感じる子が多いですので、無理やり飲ませず、時々チャレンジして飲めるようになるのを待ちましょう。
ただ、剤が飲めるようになると、苦いお薬を簡単に飲めますので、実は粉よりも飲みやすい…はずなんですが、お子さんから見ればそうではありませんので気長にいきましょう。
錠剤はそのまま飲むのが基本です。
決して割ったり、溶かしたりしてはいけません。
薬が効かなくなる可能性が高くなります。
もし錠剤を飲ませる練習をしたいのであれば、ビタミン剤など薬ではないもので始めるのがお勧めです。
半分に割って飲ませたとして、たとえ効果が減ってもビタミン剤ならそこまで気にならないと思います。
小さい粒を飲むところからチャレンジしてみてください。
⑥座薬
吐いている、高熱があるなど、飲んだり食べたりできない状態の時は座薬が効果的です。
病院で医師に1/2個とか2/3個にしなさいと言われます。
正確でなくても見た感じでいいので、指示の通りにハサミで切って入れましょう。
座薬はお子さんの体重に応じて切る量が変わります。
ですので、「一年前にもらっていたけど、残ってるから今日使おう」と思って古いものを使うと、薬の量が足りなくて効かなかったなんてことになります。
注意
必ず現在の体重に応じた量のものを医師に処方してもらいましょう。
入れる時は、先っぽが硬いと痛みを感じます。
「痛い!」 と言われてしまうと次から入れる時にものすごい抵抗されますので、痛くないようにいれましょう。
方法は座薬をケースから出す前にお湯に入れたりストーブやこたつで温めて表面だけを少し溶かすのです。
これで痛みがかなり感じにくくなります。
姿勢も背中を丸めて膝をお腹につけるようにして入れると入れやすいです。
赤ちゃんであればオムツを交換する態勢になって足を上げている状態で入れるといいでしょう。
挿入した後は、10秒ほどティッシュなどでおさえておきましょう。
ポイント
・下痢をしている時は便が出た直後に入れるようにしましょう。
・座薬を入れたあとにすぐに便が出てしまう可能性もあります。
そのままの形で本当にすぐに出たのであれば新しいものを再度入れていいですが、多少でも溶けたようであれば(目安として入れてから3分以上経過していたら)入れ直しはせずに、次回使えるようになる時間まで待ちます。
薬の保管方法と使用期限
薬は低温で除湿されている環境で保管するのが一番いいです。
ですので、ベストな環境は実は冷蔵庫の中になります。
粉薬や錠剤は未開封であれば涼しくて暗い場所を選んでもらえればいいです。
一度開封してしまうとどんどん薬が劣化していきますので、ラップしてすぐに冷蔵庫に入れ、可能な限り早く使うようにしましょう。
保管方法にもよりますが、保存期間は半年程度と考えておきましょう。
もっと長く保管もできますが、ご家庭での保管は温度や湿度も変わりますので安全に保管できるのは半年程度と考えるのが無難です。
シロップはすでに糖水に溶かしてありますので、つまりは開封してひと手間加え終わった状態になります。
ですので、基本的には冷蔵庫に入れ、なるべく早く使い切ってしまったほうがいいでしょう。
処方箋の飲み終わりの日からブラスー週間くらいで捨てる感じだといいかと思います。
とにかくシロップは日持ちしませんし、不潔になりやすいですので、長持ちさせようとせず、毎回しっかり使い切りましょう。
座薬は熱に弱いので、処方されたらすぐに冷蔵庫に入れておきます。
基本的には半年程度なのですが、ずっと冷蔵庫保管しているのであれば1年以上持ちます。
たいていの人は冷蔵庫に入れた後忘れているケースが多く、1~2年前の座薬が出てきたなんてこともよくあると思います。
熱が出た時にそれを使っても問題はありませんが、前にも書いたように使用量が変わっているはずですので、安易に使わないようにしましょう。
時々状態を確認して1年程度で捨てるのが無難かと思います。
最後に
いかがでしたか?
・シロップは子どもも飲みやすいのでお勧めですが、日持ちしません。不潔にもなりやすいですので、気を付けて管理しましょう。
・ドライシロップは水で団子状にすると飲ませやすいです。完全に溶かしてシロップのようにして飲ませることもできますので、お子さんの状況に合わせてエ夫してみましょう。
・粉薬は苦みを感じやすいものが多いので、何かに混ぜて飲ませる必要があるかもしれません。アイスやチョコなど、混ぜていいもの、お勧め出来ないものを薬剤師さんに確認しておきましょう。
・錠剤は慣れれば苦みを感じずに飲める薬ですが、小さいうちは難しいです。ビタミン剤やドライシロップを団子状にしたもので時々練習してみるのもいいかもしれません。
・座薬はロから摂取出来ない時に使います。入れた刺激で排便することがあるので、使うタイミングに気を付けましょう。
病院によっては、処方をシロップにするか粉にするかなど、選ばせてくれるところもあります。
自分のお子さんに合ったやり方でスムーズに飲ませられるといいですね。
お子さんがそれほど嫌がらずに飲んでくれれば親御さんのストレスもだいぶ軽くなります。ぜひいろいろとエ夫してみてください。