育児サロンのよしです。
お子さんの好き嫌いに悩まれている親御さんはとても多いと思います。
嫌がるのを無理やり食べさせるわけにもいきませんし、お子さんが小さければ小さいほど頑張って食べさせるのには無理があります。
「いろいろ食べられるようになってもらいたい」、「小学校に入っても食べられないものがあると子どもがかわいそう」 など、さまざまな思いが親にはあります。
今回はなぜ子どもは好き嫌いが多いのか、そして「食べ物の好き嫌い」に対する考え方、対処方法などをご紹介します。
目次
どうして子どもは好き嫌いが多いのか?
なぜ子どもは好き嫌いが多いのでしょうか?
ポイント
それはその子自身の問題ではなく、子どもの味覚が大きく関わっています。
大人がおいしいと思ってあげたものでも、子どもにとってはおいしくなかったりすることはよくあります。
それは、子どもの味覚はとても敏感であることが関係しています。
子どもの脳はまだまだ経験不足なので、今までに食べたことのない味を知覚すると「ヘンな味」と解釈してしまう傾向にあります。
子どもの頃はいろんな味覚に触れ合う経験が少ないですよね。
脳も味に対する判断材料があまりないので、新しい味に出会うと「食へたことがない」「変だ」「不快だ」という信号を出してしまいます。
それが子どもにとって「嫌い」と判断する原因になります。
ちなみに、嫌いな味も本当に嫌いなわけではなく、食べた感想が「不快」であったというだけなので、本当に嫌いなわけではありません。
子どもは経験を積み重ねていくことで食べ慣れた味が好きな味になっていきます。
ですから、子どもの脳は「いつもと同じ味→おいしい→好き」という判断になっていきます。
つまり、お子さんがいくら「嫌いだ」と言っても日々食べさせていくことで慣れた味=おいしい味へと変化していく可能性があるのです。
小さい頃嫌いだった食べ物が、気がついたら好きになってた、もしくは家族や他の誰かと一緒に食べているうちに好きになったという経験ありませんか?
子どもの頃の「嫌い」は永久的な嫌いではなく、経験の少なさゆえに感じているものです。
ですので、子どもには多くの味の経験をさせてあげる事が、子どもの 「おいしい!」 という感覚を養ってあげることになります。
子どもの味覚の発達はどうなってるの?
人間には本能的に好む味として、甘味・塩味・旨味があります。
それは子どもが生まれてはじめてロにするものである、母乳、ミルクと関係しています。
母乳・ミルクの栄養主成分はエネルギー(主に炭水化物=甘味)、たんぱく質(主にアミノ酸=旨味)、ミネラル(人間の生存に重要なナトリウム·食塩=塩味)です。
子どもはこれを生まれた時から飲み続け、次第に味覚も形成されていきます。
ゆえにこれら3つの味は、他の味よりも先に発達し養われつづけられているのです。
離乳食は非常に薄味でほんのり自然の甘みのあるものが多いですが、赤ちゃんは甘味・塩味·旨味を関知する能力が長けていますので、それだけで十分においしいと感じることができます。
逆に複雑な味にしてしまうと、脳が「不快」信号を出してしまうので嫌な顔をしたり食べてくれなかったりするのです。
また、お子さんが「おいしい」と感じる要因はそれだけではありません。
食事以外にも子どもがおいしい!!好きだ!と感じる因子はたくさんあります。
食品の香りや固さ、温度、盛り付け、子どもの健康状態、精神的状態、食べさせ方、食事の環境や雰囲気など…。
様々な感覚器官から脳に情報が入り、おいしいや好き、食欲も変化していきます。
子どもがおいしいと思えるように、食事作りだけでなく、食べさせ方・言葉かけ子どもの日課や健康管理等の食事を食べる為の環境作りに取り組んでみると、それだけで食べれるようになることもありますので、チャレンジしてみてもいいかもしれませんね。
好き嫌いを改善する7つのポイント
食事の好き嫌いを直してあげるには、子どもにたくさんの経験を積ませてあげることが大切です。
子どもが嫌な思いをすることなく工夫して日々食べさせ続けていくと、将来自然と食べられるようになっていきますポイントは以下の7つです。
ポイント
①最初は少なめに与えて食べ残しの習慣をつけないこと。いつも同じ食材ばかり残していると、それを見ているうちにますます子どもはその食材を嫌いになります。
②同じ食材でも煮たり焼いたりソテーにしたりして、味や形を変えてみましょう。
③食器は好きなキャラクターのもので楽しく遊び心で食べさせてあげましょう。お友達と一緒に食べるのもいいですよ。
④盛り付けも見た目が美しいと食欲をそそります。緑色の野菜が苦手なら、人参、かぼちゃなどを利用しましょう。
⑤出来れば家族そろって楽しく食べてみましょう。
⑥空腹にすることが大事。間食は食事に響かないように時間と量を決めましょう。
⑦食べたくないものを無理に食べさない事
様子を見て再チャレンジです。
再チャレンジするときはカレー、ケチャップなどお子さんの好きな味付けで試してみましょう。
小さめに作る、細かく切って見えないようにするなど、切り方にエ夫をするだけでも食べられるようになります。
⑧何か料理に関するお手伝いをさせてみましょう。
自分で作ったものなら喜んで食べるかもしれません。
ちょっと注意点です。
本当に嫌いで食べないのではなく、形、固さが合わなくて食べづらくて残すことがあります。
今日食べないからといって嫌いな食材として決めつけないで、一ロ分でいいので時々食卓に並べるようにしましょう。
もしも、一ロでも食べたら…大げさに褒めてあげてください。
また、なかなか食べないと思ったら実はアレルギーだったということもあります。
つまり、食べると舌がピリピリしたり、なんとなく気分が悪くなるからという理由で本能的に食べないようにしてしまうということです。
ですので、先ほどの⑦にも書きましたが、嫌がっているのを無理やり食べさせるのはよくありません。
食べられなかったら日にちを空けて違うメニューでチャレンジしてみましょう。
必要な栄養素が摂れているかの確認も必要になってきます。
食べられない食材が多すぎると、 必要な栄養素が不足する恐れがあるからです。
例えば牛乳が飲めないとしても、乳製品全般が駄目なわけではないと思います。
であれば、牛乳を無理やり飲ませようとするよりは、
参考
・ココアにして飲ませてみる
・ヨーグルトを食べさせたりヤクルトを飲ませたりしてみる
・チーズなどを食べさせてみる
などの手段を使って乳製品を摂取させればよいのです。
もし乳製品全般が駄目でもアレルギーでさえなければ、今は無味無臭の食材に混ぜるだけのサプリもありますので、栄養素を摂らせる目的であればどんな方法でも摂らせることができます。
ですので、一つの食材にこだわらず、駄目なら時間をかけてゆっくりとのんびりと食べられるようになっていけばいいのだと楽に考えてみてください。
最後に
いかがでしたか?
嫌いな食べ物を食べさせる時は、その目的をはっきりさせてみるといいかと思います。
シイタケが嫌いな子がいたとして、しいたけがアレルギーでないか確認したいだけなのか、しいたけそのものを食べられるようになってほしいのか、しいたけの成分を摂取してもらいたいのか。
それを決めると対策は簡単です。
アレルギーじゃないか調べるのと、しいたけの成分を摂取させたいだけなら、みじん切りにしてハンバーグにでも混ぜて食べさせてしまえばいいのです。
ですが、しいたけそのものを食べれるようになってほしいのであれば、ハンバーグにまぜる方法では克服できませんよね。
1mmしかないかと思われるくらい小さく切った状態にして「食べる」という経験をさせるとか、全く食べなくてもいろいろな調理方法でとりあえず食卓に並べてみるとかという工夫が必要になると思います。
好き嫌いは一生のものではありません。
ですが、食べないからと言って完全に食卓から除去してしまうと、一生食べられないものになってしまう可能性があります。
毎日ではなくても、時々ちょっとチャレンジしてみて、長い期間をかけてゆっくりと食べさせていくことで将来好き嫌いのない子どもになっていけると思います。
焦らず、心配せず楽しく食事をしていきましょう。